煎じ薬とエキス剤の違いは?

みなさんが漢方薬と聞いて連想する光景は、土瓶でコトコトと薬草をせんじているところではないでしょうか?

また、最近では医師から処方された粉状の漢方薬(エキス剤)を思い浮かべる方もいらっしゃるでしょう。
「煎じ薬は飲みにくい?」「煎じ薬とエキス剤はどちらがよく効くの?」などと疑問をもたれている方も多いようなので、
ここでは、煎じ薬、エキス剤の特徴を比較して説明していきたいと思います。

【煎じ薬】
煎じるというのは、生薬を水で煮出してその成分を浸出させる方法です。したがって手間はかかりますが、
液状なので消化吸収が良く、効き目が優れています。
また、服薬される方の症状や体質、体格に応じて生薬の分量を増減することが容易ですから、
よりその方に適した薬を調合することができます。



【エキス剤】

生薬を製薬工場で煎じて、エキス分を抽出した後、顆粒や粉末に加工したものを”エキス剤”といいます。
煎じる手間がかからないため、入院や旅行先でもすぐに服用できる便利さがあります。また煎じ薬特有の味や匂いがほとんどないので、
子供にも飲ませやすくなっています。
ただし、便利になったとはいえ、エキス剤にも短所があります。


まず、薬効の問題です。その人に合っているはずの薬がエキス剤ではあまり効かず、煎じ薬だとよく効いたという場合があります。
さらに、エキス剤は煎じ薬と違って、微妙なさじ加減はできません。服にたとえると、エキス剤は既製服でオーダーメイドに相当するのが
煎じ薬といえます。
便利なエキス剤も臨機応変にということでしょう。

当薬局では、煎じ薬、エキス剤ともご用意できますが、経過の長い病気や複雑な病気、難病の方には効果が優れている煎じ薬をお勧めします。


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