西洋薬と併用して大丈夫?

結論から申し上げますと、ほとんど全ての西洋薬(新薬)と漢方薬は併用されても問題ありません。
ただし、肝炎などの肝臓疾患に使用されるインターフェロン(点滴あるいは注射剤)とある種の漢方薬は併用すると、まれに症状が悪化する場合がありますので、使用されている方はお申し出ください。

なお、西洋薬と漢方薬の服用時間は、1時間程度あけられた方が、両方の効果がより発揮されやすくなります。


次に、漢方療法を始めると同時に、西洋薬の服用をご自分の判断でストップされる方がいらっしゃいますが、以下のような注意が必要です。

狭心症や強度の不整脈などの心臓疾患、胃・十二指腸潰瘍の急性期、うつ病や総合失調症などの精神疾患、抗生物質が必須な急性感染症などの場合は、西洋薬と併用した方がより効果が発揮されます。
悪性腫瘍(癌)の治療は併用の必要があります。

また、病気の性質として、その状態が長く続くことで血管や臓器の障害を生じてくるような高血圧症、糖尿病などの場合は、漢方薬の十分な効果が現れるまでの間、併用した方がよいでしょう。


その他、どんな病気の薬であっても、数ヶ月以上にわたって飲み続けているものについては、たとえそれが症状を緩和させるためだけの薬であっても、しばらくは併用してください。

長く飲み続けた薬は、からだに順応していることが多く、言い換えれば薬がからだの一部になっているため、急に薬を止めると、からだのバランスを大きく崩すことになりかねないからです。



この場合は、漢方薬と併用することで、病状がある程度改善されてから、医師と西洋薬の服用について相談をしてみてください。

特に、ホルモン剤の一種であるステロイドを服用している方は、急に服薬を止めたときの弊害が大きいので(リバウンド)、決して自分の判断で止めないでください。

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